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Channel: 後藤和弘のブログ
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40年前にスエーデンで教わった山小屋へ通う趣味

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それは1973年の夏のことでした。ストックホルムの王立工科大学へ私を招待してくれたエケトルプ先生が、海の傍にある粗末な木造の小屋につれていってくれたのです。
海に突き出た岬にある小屋の周囲には人家も無く荒涼とした岩山の上にポツンと建っています。はっきり言えば掘っ立て小屋です。潮風に吹き倒されそうに少し傾いています。
小屋に着くと先生夫妻は小屋の掃除や、周囲の雑草を取りをして忙しそうに働いています。私も手伝いました。
労働でお腹が空いたころ庭先のテーブルの上でランチです。フライドチキンと生のキューリをかじるだけの食事でした。周囲は入組んだ海です。
北欧の暗い海は夏になると碧く輝くことを発見しました。大きなカモメが時々鳴きながら飛んで行きます。
エケトルプ先生はこの小屋に来てボンヤリ海を眺めたり、小屋が倒れないように修理をするのが趣味だと言います。何も無い自然の中で時を過ごすだけで楽しいのですと言います。
もう何年もこの小屋に通っているそうです。
夏だけでなく厳寒の冬にも来るそうです。昼前に着いて、薪ストーブを焚いて昼食を食べ、そして夕方帰るのです。
帰りの車の中で、私はこの自然の中の小屋に通うエケトルプ先生の趣味を日本で始めることを決心したのです。
海ではなく山林の中に粗末な小屋を建てる決心をしたのです。そして1974年の晩秋に山梨県の甲斐駒岳の麓に小屋を建てました。
大工さんが小川の傍で深い森の中は湿気がひどいので木造ではすぐに腐りますと言います。そこで4畳と6畳とトイレの鉄筋コンクリートの小屋を建てて貰いました。その小屋は41年たっても腐らずに建てたままの姿です。
41年間、毎週のように通ったその山林の中の小屋へ先週も家内と行ってきました。
どのような所かを写真でご説明たします。
小屋は北杜市の甲斐駒岳の麓の武川町にあります。寒すぎて水田が出来ない標高の高い深い森の中にあります。

この写真が最後の水田です。これより高い所は寒すぎて稲が育たないのです。写真の右奥には鳳凰三山の地蔵岳が少し写っています。

水田地帯を過ぎると上の写真のように山道がえんえんと続いています。ゆっくり車を走らせます。

上の写真は小屋の屋根の上から撮った写真です。身軽な家内が屋根の上に生えた木を引き抜いてくれました。周囲には大きな樹木がビッシリと生えています。

この小屋が好きな理由はその庭を上の写真のような小川が何時も美しい音を立てて流れていることです。過去41年間、冬になっても豊かに清い水が流れているのです。
小屋に着くと掃除や雑草取りをします。それが終わると夏以外は薪ストーブを焚いて昼食です。しかし夏はこの小川に入って、その冷たい流れに足を入れて涼みます。

上の写真は家内が清流に足を入れて涼んでいる様子です。以前は男の孫3人がこの小川に全身を浸けて遊んでいたものでした。もう大きくなって一緒に小屋に来なくなりました。それも時の流れです。
小屋の周りの森では松蝉やヒグラシが鳴いていました。
その後、近所の山荘に住んでいる木内さん所に寄り、里に下りて花々の写真を撮りました。
山々の風景を見ながら写真を撮っている間が楽しいのです。
農産物の道の駅により、ズッキーニや七色のプチトマトと規格外の桃を多量に買って帰宅しました。
毎年、規格外の桃を買いますが味は同じで美味しいのです。規格外の桃は東京では売っていませんが、昔は野菜や果物に「規格」などと言うものが無かったのです。規格など無い方が自然で良いと信じています。余計なことまで書いて失礼しました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

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